セッション 1 9:35 ~ 10:35
座長:村瀬 一隆(農学生命科学研究科 附属演習林)
O5-01(第5分野(生物、生化学、医療技術)) 宇都宮で見つかった幼形開花型のサクラの新品種 ‘宮胡蝶’ ~‘稚木の桜’および‘片丘桜’との比較~
●清水淳子 (理学系研究科附属植物園)
栃木県宇都宮市の鞍掛山で15年ほど前に幼形開花型のサクラが発見され、発見者の渡辺豊氏が自宅の庭で栽培していたものから2023年3月に‘宮胡蝶’と命名された。幼形開花型のサクラには‘稚木の桜’と‘片丘桜’が知られているが、‘宮胡蝶’を開花期、展葉期、葉が成葉となる時期に観察した結果、'稚木の桜’と‘片丘桜’とは花序の形態や展葉様式に異なる特徴を持つことが明らかとなった。
O5-02(第5分野(生物、生化学、医療技術)) 臨海実験所技術職員の研究業績 —2022年度—
●幸塚久典、川端美千代、関藤守(理学系研究科附属臨海実験所)
臨海実験所の技術職員は研究者が使用する生物の収集や採集・飼育・繁殖などの研究支援、実習などの教育支援の他にも様々な活動のリスク管理、展示室の運営、さらに潜水業務や機材・施設・船舶の保守管理など業務内容は多岐にわたる。当実験所技術職員は、各自テーマを持ち、各種研究助成などに申請や研究会での発表、論文での公表なども遂行している。本発表では、2022年度における演者らが携わった研究などについて紹介する。
O6-01(第6分野(実験、実習、分析、環境安全、地域貢献)) 腐敗血液試料中フルニトラゼパム、7-アミノフルニトラゼパムの定量分析における内部標準物質選択基準の検討
● 坂幹樹(医学系研究科・医学部)
法医解剖の血液サンプルは高度に腐敗が進んでいることがあり、正確な定量分析を難しくする。そこで本研究は,適切な内部標準物質(IS)の選択基準を開発することを目的とした。定量薬物はフルニトラゼパムと7-アミノフルニトラゼパムとし、20化合物をIS候補とした。それぞれの物理化学的性質と定量精度の関連性から、構造類似度、水素結合供与体の数、LogPを総合的に考慮することによって、適切なISを選択できることが示唆された。
セッション 2 10:40 ~ 12:00
座長:加藤 博(先端科学技術研究センター)
O3-01(第3分野(情報・ネットワーク)) 大型言語モデル(LLM)のAPIの日常業務への応用例について
●青山尚平(宇宙線研究所)
Chat GPTに代表される大規模言語モデル(LLM)は従来、技術職員が行なっていた計算機関連のサービスを大幅に効率化する。LLMとAPI (Application Programming Interface)を連携させることにより、従来は対応不可能なほど大きな時間や作業費用を要する業務が十分高精度で自動化できるようになった。本発表ではホームページ翻訳などのAPI設置例とそこで工夫した点、課題を発表する。
O3-02(第3分野(情報・ネットワーク)) オンライン・対面ハイブリッド会議における音声システムの構築
●岡崎奈緒(宇宙線研究所)
新型コロナウィルス感染症流行下では、インターネットを利用したオンライン形式での会議が急激に普及した。それと同時に従来の対面形式の会議の重要性も改めて認識されたように思われる。そのような状況の中で発表者はオンラインと対面の両形式の利点を併せ持つハイブリッド会議のシステムを構築してきた。本発表では会議システムの音声部分について現状を報告する。
O6-02(第6分野(実験、実習、分析、環境安全、地域貢献)) 教育訓練の映像教材作成についてのご紹介
●小坂尚樹, 桧垣正吾, 和田洋一郎(アイソトープ総合センター)
コロナ禍でのオンライン講習会で導入したパワーポイント映像化やAI音声利用法を紹介する。オンライン発表では動画を提供し、YouTube公開で聴講者の反応を分析したり、ポスター発表でもQRコードを活用した説明動画で情報提供した。資料配布よりも動画公開が効果的と考える。
O7-01(第7分野(土木、建築、都市工学、文化財保存技術)) RC造片側袖壁付き柱破壊実験に関するデジタル画像相関法・加速度計の精度検証
●陳瑞涵、田尻清太郎(工学系研究科・建築学専攻)
鉄筋コンクリートを対象とした変形計測を行う場合,歪みゲージや変位計等接触式のデバイスが使われるのが一般的であるが,近年従来の接触式計測法に代わるものとして,非接触式のデジタル画像相関法(Digital Image Correlation,以下DICと呼ぶ)が注目されている。また,安価なMEMS加速度計による加速度計測も行われている。本稿は田尻研のRC造片側袖壁付き柱試験体を対象として,DICによる歪,変形の計測,加速度計による回転角計測を行い従来の計測方法と比較した結果について報告する。
セッション 3 13:30 ~ 14:50
座長:半澤 明範(理学系研究科 化学専攻)
O4-01(第4分野(フィールド計測、自然観測、農林水産海洋技術)) 学外技術研修制度を活用した無人航空機操縦者技能証明取得と演習林業務への活用
●原口竜成(農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林)
東京大学技術職員学外技術研修制度を活用して無人航空機操縦者技能証明を取得したので、その概要と無人航空機の演習林業務への活用について発表する。
O6-03(第6分野(実験、実習、分析、環境安全、地域貢献)) 2020年からの一連のコロナ禍の学生実験への対応 ~工学部・化学工学実験&コンピュータ化学演習の場合を例に~
●石垣 雅、加古 陽子、小名 清一(工学系研究科・化学システム工学専攻)
2020年度当初より学生実験においても様々なコロナ禍の対応を行ってきた。具体的な一律の基準はほぼ示されず、現場判断となることが多かった。ようやく2023年度は5月よりほぼ通常の業務対応に戻った。対応策には予算的にも相当額が充当され、今後のためにも各学生実験にて取り組んだ対策の記録としてここに取りまとめる。
O6-04(第6分野(実験、実習、分析、環境安全、地域貢献)) 共通機器利用との両立のための学生実験用分析条件の検討-蛍光X線装置について-
●山ぎし崇之(工学系研究科・工学部)
当実験室の分析装置は、学生実験以外の時間帯に共通機器として利用できるよう整えてきたが、故障と老朽化に伴い装置更新を進める必要が生じている。装置更新に伴う学生実験の再検討事例は他部局にも参考になると考え、蛍光X線装置での例を紹介する。新しい装置での分析条件を適切に調整し、従来とほぼ同じ内容で、かつ分析時間を短縮する実習内容を準備できた。
O6-05(第6分野(実験、実習、分析、環境安全、地域貢献)) 自然に優しい水晶振動子センサの紹介
●黒岩真弓(農学生命科学研究科附属技術基盤センター先端機器系技術室)
水晶振動子は「産業の塩」と呼ばれているほど、半導体同様に、現在の情報通信社会にはなくてはならないものである。今回は、その水晶振動子をセンサとして用いた例をいくつか紹介する。